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五泉の色白レンコン、五泉美人

白くつややかな表面
肉厚でシャキシャキとした心地よい食感
五泉のレンコンブランド「五泉美人」

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午後3時、JA新潟かがやきの木越きごし集出荷場に続々と農家の車が来ました。素早く荷下ろしされたのは、「五泉美人」の段ボールと「五泉蓮根出荷組合」のビニール袋に入っているレンコンでした。赤い印字の袋と対照的に、レンコンは白い。パレットに積み上げたレンコンは出荷先の市場ごとに仕分けられ、出荷を待っていました。

袋入りのレンコンは10袋1山

皆さん、こんにちは!地域おこし協力隊のきゅうです。五泉市の農業教えて!をテーマに「Let me 農(know)」シリーズとして五泉市の農業について紹介してきましたが、今回は村松特産振興協議会(とくしんきょう)の羽賀はが哲夫会長に特振協の取り組みについて取材させていただいた際の内容と、五泉蓮根生産組合の伊藤わたる組合長への取材の際にお聞きした内容を基に、五泉市の美味しいレンコンについて紹介します。


とくしんきょう

特振協は「JA新潟かがやき 村松特産振興協議会」の略称で、五泉市の農産物の出荷をまとめる組織のひとつです。平成18(2006)年の旧村松町と旧五泉市の合併以降、地域ごとに点在していた農産物の出荷組織がまとまり、現在の形となりました。特振協では次の3つの部会に分け、農産物を取りまとめて出荷しています。
 ・菅名すがな青果部会(レンコン、いちご、メロン 等)
 ・特産部会(オクラ、たけのこ、銀杏、アスパラガス、ぶどう 等)
 ・栗部会(村松の栗)

「五泉蓮根生産組合」

五泉蓮根生産組合は特振協の菅名青果部会に所属しています。五泉市のレンコン栽培は主に木越地区で行われており、昭和20年以前から栽培されていたそうですが、五泉蓮根生産組合が昭和36(1961)年に創立され、産地として正式に稼働が始まりました。出荷先の各市場が稼働する日には、現在13戸いる組合農家が集出荷場にレンコンを持ち寄り、レンコンの集出荷が行われます。

袋に入っている白い「五泉美人」レンコン

レンコン(蓮根)ってどんな作物?

レンコンは穴が開いていることから「先が見通せる」と、日本では縁起の良い食べ物として親しまれています。漢字で「蓮根」と書きますが、私たちが食べるレンコンは蓮の地下茎ちかけいという茎がふくらんだものです。暑い環境の中でよく成長するので、世界の熱帯、温帯に広く自生しています。蓮の原産地は中国、エジプト、インドと諸説あり、歴史はとても古く、日本でも行田蓮(古代蓮)など、弥生時代にはすでに存在したとされています。

収穫期はほぼ一年中、栽培には工夫と気配りが必要

伊藤組合長によると、レンコン栽培には細心の注意が必要なので、最初は兼業でも、後に専業になるレンコン農家がほとんどだといいます。

栽培は「え」から始まります。「タネ」としてとっておいた、一連のレンコンを丸ごと圃場ほじょうに植え、約4ヶ月ほどで収穫できます。タネの品種や植える場所にも工夫が必要とのことで、均等の列でたくさんタネを植え、タネ同士の生育競争を促します。早生わせの品種の圃場と晩生おくての品種の圃場を設けることで通年安定した出荷量を目指します。レンコンは連作ができますが、圃場の「土づくり」がとにかく大切で、肥料などを使い、気配りして良い環境を作るそうです。

収穫期は7月下旬から翌年の6月上旬、初めて聞いた時は耳を疑いましたが、レンコンは「ずっと食べ頃」の作物です。需要のピークはお盆とお正月なので、真冬でも収穫は続きます。収穫時は専用マシーンで水を土に送り、浮かんでくるレンコンを掴んで収穫します。「素早くつかみどころを見つけ、レンコンが折れないように丁寧に持ち上げるのかポイント」だといいます。

収穫の様子(写真は五泉蓮根生産組合のXアカウントより)

早朝に収穫したレンコンは、洗い場で洗浄&選別→箱詰め→集出荷場へ→市場へという流れで出荷されます。新潟県内で消費されることがほとんどですが、JA新潟かがやきのインターネット通販やふるさと納税の返礼品でも入手できます(注文の受付は各販売サイトをご確認ください)。オンラインで注文を受けた分は集出荷場から直接発送されます。

「五泉美人」の外箱で直接発送されます。

恵まれた水と土で、レンコンブランド「五泉美人」が誕生!

それにしても、五泉市のレンコンはなぜ白くてなめらかなのでしょうか?その秘密は水と土にあります!

中心産地の五泉市の木越地区の土はサラリとしていて、収穫する時の土離れが良く、かつ、砂や砂利が少ないことから、レンコンにキズを付けにくいそうです。五泉が誇る綺麗で豊富な水資源に加え、栽培に適した土壌がそろっていることが、白さとなめらかさの理由になっているようです。

環境に恵まれる他、組合員全員で品種改良に取り組み、納得するものを栽培し続けてきたといいます。ブランド化の出願を経て、平成22(2010)年に当時の五十嵐市長の命名でレンコンブランド「五泉美人」が誕生しました。以降、厳格な品質管理のもと、五泉蓮根生産組合より出荷するレンコンが「五泉美人」として流通されるようになりました。

平成22(2010)年に商標登録したブランドレンコン「五泉美人」
五十嵐元市長が書いた「五泉美人」の文字は現在も包装資材に使われています。

「五泉美人」を知ってもらいたい!新たな取り組み

五泉市の「五泉美人」を知ってもらうために、令和5(2023)年9月に五泉蓮根生産組合がX(旧Twitter)アカウントを開設しました。作業風景やレンコンレシピが動画を交えて紹介されていますので、ぜひフォローしてください!

新規就農者へのフォロー
「覚えたい人を育てていきたい」

現在の五泉蓮根生産組合には13名の組合員が所属していますが、人数はかつての半分ほどになっているそうです。それでも組合員の中には、親世代からレンコン栽培を受け継いた方だけではなく、新たに就農された方もいるそうです。伊藤組合長のお話からは、レンコンの栽培と収穫の大変さが伝わってきましたが、レンコンは収益性の高い作物でもあるそうです。生産量の維持が今後の課題になりつつある中、伊藤組合長は若い人でも無理なく就農できるよう、初期投資の負担が小さく済む方法を提案するなどして、「覚えたい人を育てていきたい」と新規就農者へのフォローに意欲を見せていました。ご興味がある方は「五泉市 新規就農者」と検索してみてください。次に「五泉美人」を育てるのは、今この文章を読んでいるあなたかも知れません!

「五泉美人」の集出荷の光景

【番外編】レンコン料理 日本 vs 台湾

日本ではレンコン料理といえば煮物、きんぴら、レンコンのはさみ揚げなどが挙げられます。伊藤組合長に一番好きなレンコン料理を伺うと、「レンコンの天ぷら」を挙げました。これは「五泉美人」のてんぷらを食べるしかないですね!

邱隊員の出身地台湾はどうかと言いますと、炒めることも多いですが、レンコンといえば、定番はやはり「レンコンとスペアリブのスープ(蓮藕排骨湯)」です。肉のうまみとレンコンのほんのりとした甘味が相まって、美味しいし、体も温まります。実際、東京で台湾料理屋を営む友人がスペシャルメニューで、「五泉美人」とスペアリブでスープを作ったところ、お客様に「このレンコンなんか違う!白くて美味しい!」と評判でした。五泉市民として鼻が高く思う出来事でした。

【リンク】JA新潟かがやき「五泉ブランドれんこん五泉美人」を紹介!舞台裏付き!

伊藤組合長がJA新潟かがやきの取材を受けた映像です。「五泉美人」のことや、収穫の様子が良く分かります。

(文:地域おこし協力隊 見たい聞きたい知らせ隊 邱子菁)

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