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地域の子どもを地域で育てる/五泉市のびのび教室~寺子屋事業~

皆さん、こんにちは。移住コンシェルジュの中野です。
五泉市には小学生を対象とした「寺子屋」という取り組みがあるのをご存じですか?「寺子屋」と聞くと、江戸時代に子どもたちに読み書きなどを教えていた、現代でいうところの「学習塾」を思い浮かべる方もおられるかと思いますが、今回は五泉市の「寺子屋事業」について学んできましたので、皆さんにご紹介をさせて頂きます。

寺子屋事業とは?

五泉市の寺子屋(五泉市のびのび教室寺子屋事業)は、平成18年に「家庭や学校を応援しながら、地域の子どもたちを地域で育てていこう」を指針として、県内に先駆けて開設しました。

豊かな体験活動を通し、自他を大切にしあう人間関係の醸成自学自習の生活習慣の形成基礎学力の向上を目的に、市内の全ての小学校(9校区)に設置され、参加を希望する小学生に対して放課後宿題自主学習体験活動などの支援を行っています。

寺子屋の先生として、五泉市内在住の退職教員のほか、この事業に賛同する教員免許保有者、教員を志す大学生及び高校生、地域の有志の方々が子どもたちをみてくれています。

寺子屋教室を見学をさせて頂きました!

今回見学をさせて頂いた愛宕教室では現在、1~2年生11名、3~6年生16名の児童が放課後に寺子屋を利用しています。

学習中の子どもたちの様子。1~2年生の教室(左)と3~6年生の教室(右)

校舎内に入るとすぐに児童たちの賑やかな声が聞こえてきました。案内をして下さったのは佐々木先生。市内小学校の校長を定年まで務めあげた後に寺子屋の指導者になったそうです。1~2年生が学習している教室と、3~6年生が学習している教室をそれぞれ案内していただきました。

ホワイトボードにはその日の予定が貼られています。

この日は短縮授業だったため、児童たちは13時過ぎには入室をして学習を始めていました。学習の時間ではそれぞれの学校の宿題を行います。1~2年生は寺子屋の時間内で宿題をほとんど終わらせるそうです。3年生以上は、6時間授業の日は学習時間が少ないため、やり残してしまうこともあるそうですが、それでもほとんどが寺子屋の時間内で宿題を終わらせているそうです。分からないところは先生に質問をしたり、終わった宿題を確認してもらっています。

私たちが教室を見学をしている最中にも、すでに宿題を終わらせた児童たちの姿が見られ、宿題が早く終わった児童は寺子屋のドリルを始めていました。ドリルは、1~2年生は先生が丸付けを行っていますが、3年生以上は児童たちが自分で丸付けをしたものを先生が確認をしているそうです。漢字の問題などは、本人が正解だと思って丸を付けていても、よく見ると線が一本不足していたりするので、気を付けて確認をするのだそうです。

算数のドリルを見せてもらうと、たくさんの付箋が貼ってあり驚きました。先生が児童に向けて丁寧にアドバイスを書いていて、児童もそれに応えて計算をし直しています。ドリルを通して、先生と児童の絆のようなものを見せてもらったように感じました。冬休み前にはドリルの目標ページを設定して、達成すると先生がコメントを書いて励ますということもしているそうです。

短時間の見学でしたが、その中でも児童たちが先生のことをとても慕っていることが伝わってきました。見知らぬ訪問者に「誰が来たの?」「何しに来たの?」と児童たちは興味津々。先生は児童の質問に答えたり、宿題を見たりと大忙し!学校ではないので、静かにしなさいと言うのではなく、のびのびとさせているのだと佐々木先生はおっしゃっていました。児童たちも一人で勉強をするのではなく、放課後にみんなとワイワイと勉強ができて楽しそうに見えました。

3~6年生を指導していた田沢先生は、旦那さんの出身地である五泉市に来て周りに知り合いがいない中で、どうやってコミュニティに入っていこうかと考えていた時に、寺子屋の先生の募集を知ったそうです。これなら教職経験が活かせると思い、寺子屋の先生になってはや15年以上。電車の中ですっかり大きくなった昔の教え子から声を掛けられることもあるそうです。

今回、お話を聞いて初めて知ったのですが、教材は著作権の問題でコピーをすることができないため、先生たちは手書きで問題を作成しているそうです。ある時、児童の一人に「先生が問題を50問作ってくれたら寺子屋に来るよ」と言われて、先生は手書きで60問の問題を作り、児童も約束通りに寺子屋に来るようになったんだとか。

先生が作成した問題。図形は書くのが大変!

児童にも話を聞いてみました!「寺子屋は楽しい?」と質問すると、「楽しい!」と一同の声。「先生に宿題をみてもらえるのが良い」し、何よりも「フリータイム」が楽しいのだそう。「フリータイムのために寺子屋に来ている」と答える児童もいるほど!

フリータイムは学習が終わってからの30分間、体育館で体を動かして遊ぶ時間です。1年生から6年生まで合同で行い、ドッジボールでは「1年生は2回当たるまでOK」「低学年や女の子には強いボールを投げない」「頭や顔に当てない」など、ルールを工夫して遊んでいるそうです。

フリータイムのほかには、硬筆の先生を招いて硬筆指導を行ったり、今年はボードゲーム愛好家の方を招いてボードゲーム体験なども行ったそうです。また、村松図書館から児童がリクエストをした本を借りて、読み聞かせの時間や読書の時間も設けているそうです。

フリータイムには全学年でドッジボール!(左)/児童たちのリクエストで借りた本(右)

児童たちのやる気を向上させる先生方の献身的な指導と、児童と先生の信頼関係がとても素晴らしいと感じました。そして、ただ勉強だけをするのではなく、友達同士で教えあったり、他の学年の児童たちと一緒に体を動かしたり、講師を招いて様々な体験を行えるというのが、寺子屋の魅力だと思いました。

五泉市の寺子屋について詳しくは、下記の五泉市ホームページをご覧ください。保護者のアンケート結果からも満足度がうかがえます!

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