見出し画像

地元密着!五泉シルクロード・織物産業の地を散策!

ごめんください、地域おこし協力隊の邱(きゅう)です。

五泉市は古くから絹織物などの繊維産業が盛んな地域です。街なかを歩いてみると、実は色々なところに、そのような地域の特色が現れています。今回は2024年7月15日(月・祝)開催の「ガイドと歩く 五泉シルクロード巡り」に参加して体験したことを基に、五泉の街について紹介します。

こちらの写真はこの日ガイドを務めた鶴巻さんとフォロー役の尾坂さんと渡辺さんです。かつて五泉市役所があった場所にある🚩五泉図書館に9時半に集合し、参加者12名と共に出発!

(左から)観光ガイド協会の鶴巻さん、尾坂さん、渡辺さん

※歩いたスポットのGoogleMAPリンクを入れています。
ストリートビューを使って、オンラインで一緒に五泉の街を巡りましょう!(🚩←この旗マークが目印です。)


洋画家阿部あべ展也のぶやの生誕地

五泉図書館のすぐ目の前には、五泉市出身の洋画家阿部展也さん生誕の地の記念杭があります。
「ここから北北西に約150mです。」と書いてあるように、実際の生誕の地は少し離れた場所です。

阿部展也 あべのぶや(1913―1971)
洋画家。新潟県生まれ。本名芳文。東京の京北中学校を4年で中退し、1932年(昭和7)第2回独立展に入選、独立研究所で学ぶ。1937年滝口修造と詩画集『妖精(ようせい)の距離』を刊行。創紀美術協会を経て、1939年美術文化協会の創立に参加、また写真造形研究会に加わる。1941年からフィリピンで軍報道部の仕事をし、1946年(昭和21)復員。1949年日本美術家連盟が発足して常任理事、のち国際造形芸術連盟執行委員となる。抽象作品により国内、海外の国際展で活躍。1962年よりローマに移り、同地で没した。1971年現代日本美術展で『R‐3』は東京国立近代美術館賞を受けた。
[小倉忠夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

🚩天福てんぷく稲荷いなり神社

五泉図書館からしばらく北に歩くと、赤い鳥居が目立つ神社が見えてきます。昭和の時代からこの地を見守っていた天福稲荷神社です。

五泉市は絹織物の町として知られ、この神社の近くも昔は大きな織物の工場がありました。鳥居の両側の玉垣たまがきに名前が刻まれた吉田松三郎氏と横野冨治郎氏は、神社建設当時の大きな機織屋の経営者です。天福稲荷神社は「はたおり神社」としても親しまれ、商売繁盛の神様として信仰を集めて来ました。昨今はこちらでお参りしてから宝くじを購入すると、ご利益にあずかった方がいると言います。

全体的に赤が目立つ天福稲荷神社
説明を聞く参加者たち
向かい側の土地は昔、機屋の工場があった場所

黒塀くろべい

郷屋川地域内を散策していくと、周りが黒塀で囲まれた家が見られます。黒塀は防虫や防腐の効果があるのと、火災から家財を守れると言われており、織物産業にはもってこいの設備です。なお、昔から黒塀=裕福な家という認識があるようです。こちらの写真は次に紹介する丸松園さんの家の黒塀です。

🚩丸松園

丸松園は織物屋さんからお茶屋さんに転身したお店です。昔はできた生地を京都に卸していましたが、お茶屋さんになってからは京都の宇治茶を新潟に仕入れています。店内はお茶とコーヒーを買えるほか、喫茶もできます。この日は歴史のある丸松園の建物を特別に見学させて頂き、美味しいお茶とコーヒーもご厚意で頂きました。

🚩郷屋川三角公園

今回のシルクロード巡りは主に五泉図書館のある「🚩吉沢」地区と隣の「🚩郷屋川」地区を歩いています。地元では”こやがわ”と呼ばれる郷屋川を散策すると、住宅の間に郷屋川三角公園が現れます。ちょっとした休憩の場所としてもちょうどいい公園。この公園から北東の方向には、かつて写真屋と豆腐屋などがあり、商店街として栄えたそうです。

散歩の休憩にちょうどいい郷屋川三角公園
途中でクイズタイム、お題は「五泉という地名の由来」

郷屋川のいずみ

三角公園から南東に向かって、信号を渡ると、スーパーマーケットの🚩新鮮市場べアーズが見えて来ます。その横の道を歩き進むと、”郷屋川のいずみ”のプレートが見えて来ます。ここは吉沢地区の湧き水井戸「郷屋川のいずみ」として親しまれています。市民ボランティア「清流の里たわし隊」が定期的に清掃活動を行っています。

🚩機屋はたやの”ノコギリ屋根”

次に歩いたのは、織物業を営む江口機業株式会社の社屋がある吉沢地区です。

五泉市の織物産業は江戸時代の天明期(1751~1789年)にスタートしました。絹織物は、現在五泉織物工業協同組合の組合員となっている「株式会社横正機業場」「江口機業株式会社」「吉長絹織有限会社」の3社の企業などにより生産されました。約240年もの長期にわたり、地域の伝統産業として受け継がれてきました。

まさに”シルクロード”と言えるこの地域で、特徴的な景観として見られるのが、絹織物工場の”ノコギリ屋根”です。窓を北側に開けることによって、どの時間帯でも均等に自然採光ができるような仕組みです。ノコギリの歯の形に見えることから、”ノコギリ屋根”と呼ばれています。今回見た江口機業株式会社の社屋も、現在は窓を塞いでいますが、形が今も残っています。

江口機業株式会社
窓が北側に向けて設置されている”ノコギリ屋根”

谷地やち地蔵尊

次のスポットは吉沢1丁目に位置する谷地地蔵尊です(🚩堀孫畳店のすぐ横)。谷地地蔵尊は、かつて吉沢の地蔵様と同じところに祀られていましたが、昭和20年の大火で町が焼けてから離れ離れになりました。

谷地地蔵尊は毎月23日に扉が開けられるほか、毎年7月23日には祭礼が行われています。「お祭りをしなかったら大水になった」との言い伝えもあります。

普段は扉が閉まっていて、毎月23日に扉が開く
谷地地蔵尊祭礼(毎年7月23日)の様子

🚩LOOP&LOOP(五泉ニット工業協同組合)

谷地地蔵尊と道を挟んで向かい側にはLOOP&LOOP(ループアンドループ)があります。2021年9月1日にグランドオープンした五泉ニット複合施設です。

入口表札に「五泉メリヤス会館」とありますが、「メリヤス(漢字で”莫大小”)」とはニットのことです。昔からニットの拠点として使われているこの場所、現在も五泉ニット工業協同組合の事務所が置かれています。1階はニットのセレクトショップとカフェ、2階はコワーキングスペースやレンタルスペースとして、地域の人たちに親しまれています。

最後に

この日は郷屋川地区と吉沢地区を中心に街歩きをして、最後はスタート地点の五泉図書館に戻りました。街歩きの最中には、地元で親しまれるお店を沿路紹介され、解散後、参加者の皆さんは思い思いのお店でお土産の購入やランチをして、帰路についたようです。

車移動が多い五泉市では、自分で機会を作ろうとしなければ、ゆっくり歩いて散策する機会もそれほど多くないように感じます。街歩きイベントで地元の歴史を知るのもいいですね。

今後の開催情報は五泉市観光協会のHPをチェックしてみてください!

立ち止まってみると、地域の特徴が描かれたマンホール!
(メイン通りのイチョウ並木と地場産業の織物から連想される着物模様)
他にも違う模様やカラーのマンホールがあります。是非見つけてください!
※マンホールカードはございません。

最後までお読みいただきありがとうございます! 五泉市への移住をお考えの方、興味がある方は、まずはお気軽に五泉市移住コンシェルジュへご相談ください。