シンプルで安いものが一番。五泉で愛され続けて96年/栄軒ベーカリー。
皆さん、こんにちは。移住コンシェルジュの中野です。今回は、五泉で愛され続けて96年!栄軒ベーカリーの坂井康二社長にお話をお伺いしてきました。
>昭和2年創業とのことですが、ここまで長く続いてきた秘訣は何だと思われますか?
まず一つは、無理に店舗数を増やさず、この店舗のみで地道に製造を続けてきたことでしょうか。また、偶然ですが20年ほど前に駐車場のスペースを確保することができ、お客様の利便性があがったことによりたくさんの方においでいただけるようになりました。一時期、学校給食にも卸していましたが、米飯給食の流れでパンを卸すことがなくなりましたが、そこがメインではなかったため、時代の流れにも上手く付き合っていけたと思います。何より、コーヒーパンがヒットして、継続的に作ってこれたということも大きいです。
>五泉の「ソウルフード」と言われるまでになった「コーヒーパン」が誕生したのはいつ頃ですか?
先々代の頃のことなので、細かいことは定かではありませんが、昭和の時代に東京でコーヒーブームが起こり、パン屋全体でコーヒーパンブームが起こりました。パッケージ屋さんがコーヒーパンのパッケージを作り、複数のパン屋で同じパッケージを使用していました。栄軒ベーカリーでは、ブーム後も継続してコーヒーパンを作り続け、パッケージも当時から変えていません。レトロで懐かしい雰囲気のあるコーヒーパンは今でも一番人気で、メディアで取り上げられて市外からお客さんが買いにきてくれたり、市外のスーパーにも置いてもらえるようになり、コーヒーパンの製造量は現在のほうが増えています。
>社長は、栄軒を継いで何年目ですか?
25歳の時に入ったので、25年ぐらいです。その前に4年程、東京で修業をしました。
>東京に行って感じたこと、五泉に戻ってきて感じたことなどあれば、教えてください。
東京は最先端の街で、パンもお洒落。バターや卵をたくさん使ったリッチなパンが美味しいとされていました。しかし、五泉では、卵や乳製品を使っていないシンプルなパンばかりで、五泉に戻ったばかりの頃は、その安っぽい配合がいやで、親とケンカをしたこともありました。しかし、五泉でパンを作っているうちに、ボリュームがあって、価格が安いパンをお客様が求めているとわかりました。それからは、原価を抑えたシンプルなパンを心掛けるようになり、より売れるようになりました。
>たくさんの種類のパンが並んでいますが、何種類ぐらいありますか?
一番多く置いている昼時で100種類ぐらいあります。中には、数個しか作っていないパンもありますが、そのパンを求めているお客様のために作り続けています。
>地元野菜を使ったパンもありますか?
時期によりますが、五泉産のさといもやれんこん、アスパラ、シャインマスカットを使ったパンを作っています。地元の小学生たちと一緒に、五泉産のお米から米粉のピザを作ったこともあります。
>一日何個ぐらいのパンが売れますか?
一番販売数が多い土曜日は、一日で2,000個作ります。多い時は、コーヒーパンだけで500個作ります。
>コーヒーパンのほかに人気のパンを教えてください。
揚げあんぱんや納豆パンは人気があります。から揚げパンや生クリームパンは、高校生に人気です。
>子どもにおすすめのパンを教えてください。
食パンは、卵も乳製品も使っていないし、添加物も少ないので、安心して食べて頂けると思います。
>にこパスを提示すると、パンがもらえるそうですが、どんなパンをもらえますか?
ミニパンを1つ差し上げています。ミニパンは日によって違いますが、その中でも黒糖パンは店頭では販売していない、にこパス提示のお客様限定の隠れメニューです。にこパス提示のお客様が多い週末にはなるべく黒糖パンを作るようにしています。
>店舗以外では、どこで栄軒さんのパンを買えますか?
五泉市役所売店、ラポルテ五泉、道の駅あがの、五泉中央病院、五泉直売所オアシスなどに納めています。新潟市のスーパーにも納めており、気に入って下さった新潟市内のお客様が五泉のお店に買いに来て下さることもあります。
>メッセージパン、メッセージミニパンはどういうものですか?
パンの上に名前やオリジナルメッセージを入れることができます。パンの種類は、あんパン、クリームパン、チョコパンから選べます。直径約20cmのメッセージパンは、中身をあんこ、クリーム、チョコのミックスにすることもできます。誕生日ケーキや一生餅の代わりに注文されることもあります。ミニパンは10cm弱ぐらいの大きさです。1個から注文することも可能です。部活などの卒業生の送別会のギフトとして注文されるお客様もいらっしゃいます。どちらも、一週間前ぐらいまでに注文をお願いしたいですが、なるべく希望に合わせたいと思いますので、ご相談ください。
>お店の駐車場に設置してある、コーヒーパンの自動販売機について教えてください。
コロナ禍がきっかけで、非接触型の販売方法として自動販売機を導入しました。朝や夜など、店舗が開いていない時でも購入して頂けます。冷凍のコーヒーパンは、常温で1時間ほどで食べ頃になります。冷凍のままだと2週間ほどは冷凍保存が可能です。自動販売機には100本のパンが入りますが、週末は売り切れてしまうこともあります。
>今後の野望を教えてください。
原材料の高騰などで、今はどこでも商品が値上がりしていますが、値上げをしないで商売をしたいと思っています。パンやおにぎりって毎日食べるものだからこそ、コストをなるべく抑えて安く提供をしたい。シンプルで安いものが一番だと思っているので、町のベーカリーとして安いパンを出し続けていきたいです。
坂井社長、インタビューにご協力いただき誠にありがとうございました!
栄軒ベーカリーさんのパンは、シンプルだからこそ、ごまかしのない味で、パンの美味しさが際立っているなと感じます。また、シンプルだから色々な総菜にも合うんですね。そして、安い!関東圏で暮らしていた頃の感覚でパンを買うと、お会計時に、その安さに毎回驚かされます!どの時間に訪れても、お客様が次々とパンを買い求めに訪れて来ていて、たくさんの人から愛されていることを感じることができました。