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私たちの色を世界へ。/共同精錬染色工業株式会社

協力隊の本間です。今回は共同精錬染色工業株式会社代表取締役社長の松尾孝さんから糸の染色についてお話を伺ってきました。


企業紹介

昭和22年12月に創立された共同精錬染色工業株式会社さんは、主にセーター用の糸を染色しています。現在、1日にセーター1万枚分の糸の染色を行っているそうです。

糸ってどうやって染めるの?

試染め(しぞめ)

糸を染めるにはまずは色作りから。
色を作るのはコンピュータからの指示ですが糸の素材によって染まり方が違うため、コンピュータの指定通りの色にならないのが染色の難しいところです。通常より小さい染色機(糸を染める機械)で染色を繰り返し、長年の経験から色を微調整します。上手く色を表現できるかが職人の腕の魅せどころで、やりがいのある工程の1つだそうです。

色を作る部屋
コンピュータの指示で色を調合する機械
試染用の染色機(写真左)

染色の工程

試染めが終わればいよいよ製品用の糸を染めていきます。糸は糸屋さんから素材のままの白色の状態で運ばれてきます。

下巻

染色するために穴が空いたプラスチックのボビンに巻き直します。
均一な巻き密度がムラのない染色に繋がります。

精錬加工

糸は完全な白色ではなく、少し黄色がかった色です。このくすみは糸の不純物や汚れなどによるもので、精錬加工はそれを除去し漂白する工程です。思い通りの色を表現するためにベースの色を作ります。

実はこの精錬加工こそ共同精錬さんの強みです。以前五泉の名産物である絹織物の精錬加工の事業をされていたこともあり、一流のノウハウを持っています。鮮やかな色を表現できるのは精錬加工の技術が高いからこそなのです。

浸漸(しんぜん)

糸が綺麗な白色になったら、いよいよ染色です。浸漸は染色方法のひとつで、染料を100℃を超える温度に熱し1日かけて一気に染め上げます。
染色が始まると染色機(下の写真1枚目)は蓋が締まり真空になります。圧力鍋で味が染みる原理で色を浸透させていきます。浸漸染色にはチーズ染色と枷(かせ)染色があります。チーズ染色は細い糸に使われ、枷染色は主に太い糸に使われます。ちなみにチーズ染色は染色する前の糸の見た目がチーズのホールに似ていることからその名が付いたそうです。

染色機
チーズのホールのような糸
チーズ染色
糸を束にして染色する枷染色(染色前)
枷染色

乾燥

染色後、柔軟加工をして1時間半から2時間かけて乾燥させます。柔軟加工とはシャンプー後のコンディショナーのようなものでふんわりと柔らかい質感の糸が出来るのです。

仕上げ巻き

乾燥を終えたら摩擦がかからないようにワックスを塗り、巻き上げます。ワックスを塗ることで糸の艶はもちろんのこと摩擦を抑えられるため糸の耐久性が増します。これで商品は完成。出荷となります。

仕上げ巻き後の糸

私たちの染色を世界に

最後に共同精錬さんの今後の展望をお聞きしました。

「今後は、世界進出。正しく言えば糸屋さんから注文を受けて染めた糸が海外でも評価されて売れるようになること。そのためには、良い色、質感を出すとか最高の染色をやり続けること。世界に我々の色を広めていきたいと思います。」

五泉で生まれた色で世界を彩る、共同精錬さんの挑戦は続きます。

まとめ

共同精錬さんは糸屋さんやアパレル会社からの注文を受けて糸を染色するため、会社の名前は中々、表に出ることはありません。それでも、あなたのお気に入りのセーターの染色が、もしかしたら共同精錬さんの職人さんたちによって作られた色かも・・・そんなことを想像したらちょっとだけ染色という産業が身近に感じるかもしれません。

何より好きな色の服を着るとハッピーになりますよね!
染色は私たちの笑顔も作ってくれていると言っても過言ではない素敵なお仕事です。

(取材・文=本間)


【共同精練染色工業】
〒959-1874
新潟県五泉市横町3-2-15
〇営業時間 8:25~17:15
〇休業日  日曜日・祝日・第2、第4土曜日
TEL:0250ー43-2116
FAX:0250ー43-0983

フォトギャラリー

染めた糸に色ムラが無いか布にして確かめる機械
上の写真の機械で出来た布


染色機に入る前の糸たち


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