お客様のため、従業員のため、環境のため。/株式会社ナック
協力隊の本間です。
今回は五泉では珍しいニット一貫工場の株式会社ナックの社長、長谷川さんにお話を伺いました。
ナックさんは編立から整理加工、裁断、縫製、リンキング、仕上げ、アイロン、出荷まで全ての工程に対応することができる「ニット一貫工場」です。中でも洗いや整理加工を得意としており、様々なニット工場から編立が終わった生地が風合いを出すために集まってきます。洗いには巨大な洗濯機と脱水機が使われます。洗いには「素材の種類×溶剤の種類×温度×加工時間」で洗い方の種類に限りはありません。素材によって同じことを行っても効果が変わってくるため、長年の経験からその素材に最適な洗い方を考え、風合いを出すそうです。
3つの自社ブランド
ナックさんは現在3つのブランドを運営しています。
ニット好きのためのニット『ROUTINE』、
日常に贅沢を!シルクニットを中心とした『oitoi』、
そして、僕が最も注目した『Rebirthread』。
Re 再び・再生
birth 誕生、物語の始まり
thread 糸、道筋、繋がり
ブランド名はこの3つの英単語を組み合わせた造語です。本来捨てられてしまうニット生地の端材のみを素材にしたブランドで、ストールやアームカバーを作っています。ニットを作る工場だからこそ出来るエコなブランドです。このブランドを始めてナックさんでは、全体の廃棄量を約3%削減することが出来たそうです。
そしてこの3つのブランドの商品をを購入できるのが・・・
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昨年開店した『CRAFTMAN KNIT』
ナックさんでは昨年11月に、ファクトリーショップ『CRAFTMAN KNIT』を開店させました。クラフトマンニットでは自社ブランドの『ROUTINE』『oitoi』『Rebirthread』の商品を購入できるだけでなく営業時間内なら常時工場見学も出来るようになっています。
五泉のニットの工場では今までファクトリーショップはありましたが、常時見学が出来る場所はありませんでした。なぜ工場の中にそのようなスペースを作ることに踏み切ったのか長谷川社長に聞きました。
本間 「どのような思いで工場見学可能なショップにしたのでしょうか。」
長谷川社長 「ショップに来て頂くお客様に楽しんで頂きたい、私たちの仕事を知ってほしいという思いで作りました。実際に買いに来た方がどんな風にニットが出来ていくのか職人の技術を見ることが出来ますし、職人さん達と触れ合うこともできます。」
本間 「工場見学できる工場は今までもありましたが、職人さんと触れ合えるというのはなかなか珍しいですよね。」
長谷川社長 「そうですね、実は工場見学できるようにしたのはもう一つ理由があります。それは、従業員のモチベーションアップです。「ファッション」と聞いたら煌びやかなイメージですが、それを作る従業員は黙々と作業をこなしていきます。購入者の顔が見えないので中々モチベーションって上がりにくいんですよね。購入者の方と触れ合って顔を見ることが出来る、話すことが出来る、そんなショップを作れば社員のモチベーションも上がりますし、自分がアパレルという産業の一役を担っていることを自覚して、仕事に誇りを持てるようになると思います。お客様にとっても、従業員にとってもwinwinのお店になっていると思っています。」
【CRAFTMAN KNIT】
営業時間 10:00~16:00
(12:00~13:00お休み)
定休日 五泉ニット工業協同組合カレンダーに基づく
まとめ
今回ナックさんに取材をさせて頂き、社員に親身に寄り添ってらっしゃる企業なのだと感じました。残糸の廃棄を減らすために残糸を使ったブランドを立ち上げられたのも勿論素敵ですが、それと同じくらい従業員の働きがいに関する部分も大事にされているのがナックさんなのだと感じました。
最後にこの取材で印象に残った長谷川社長の言葉を。
「お客さんのため、従業員のため、環境のため、SDGsのくくりに囚われず、自分たちが取り組めることは進んで取り組んでいきたい」
エネルギーに溢れた長谷川さんらしい素敵な言葉でした。
今後ますます面白い企業になりそうな予感がしました!!
【株式会社 ナック】
〒959-1825
新潟県五泉市太田619
営業時間 8:20~ 17:20
定休日 五泉ニット工業協同組合カレンダーに基づく